タミフルとは

タミフルはアメリカの大手製薬メーカーギリアド・サイエンシズが1996年に開発したオセルタミビルリン酸塩を主成分とするノイラミニダーゼ阻害薬であり、世界独占販売権を取得したスイスの大手製薬メーカーロシュが製造販売する医薬品です。
タミフルオセルタミビルリン酸塩は、中華料理に使用される香辛料の八角に含まれるシキミ酸を多段階発酵する事により得られる為に非常に生産効率が悪かったのですが、現在ではコーヒー粕麹法の導入により短時間で生産出来るようになっています。
日本国内では、パンデミックに備え国民の45%に相当する5.700万人分の備蓄目標が掲げられています。
タミフルはインフルエンザウイルスのA型ウイルスとB型ウイルスに対して有効とされているが、B型に対しての有効性には疑問が残されています。
また新型インフルエンザウイルスの1つとされるH7H9は、人のシアル酸受容体と結合する為にステルスウイルスとも呼ばれており、ノイラミニダーゼ阻害薬に対する耐性があるとされ、他にもノイラミニダーゼ阻害薬に対する耐性を有するインフルエンザウイルスが確認されています。
その為、厚生労働省はパンデミックにおいてノイラミニダーゼ阻害薬の有効性が認められない時に限り、RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬の処方が可能となっています。
タミフルは体内に侵入したインフルエンザウイルスや増殖したウイルスへの直接的な薬理作用は全く無く、感染細胞内で行われるウイルスの増殖過程に作用します。
タミフルの使用機序としては、インフルエンザウイルスのエンベローブ表面状に存在する赤血球凝集素と呼ばれるノイラミニダーゼに作用する事で、増殖したウイルスを感染細胞から遊離出来ない様にしてウイルスの拡散を抑制します。
結果としては、体内のインフルエンザウイルスを増加させず、発症や症状の悪化を防ぎます。

タミフルの安全性について

一時期タミフルによる幼児の異常行動のリスクがマスコミによって批判されました。
実際に不幸な事故があったため、その報道自体は市民によって必要なものでした。
しかし、論理的かつ科学的な報道が殆どされず、異常行動の原因は全てタミフルにある、そういった決め付け先行の記事や意見ばかりがメディアで繰り返し報じられました。
その結果として大衆の間において、タミフル=危険や医薬品という認識が根付きました。
保護者やマスコミからの酷いバッシングを受け、医薬品の提供をとりやめる動きが相次いだのです。
医師の目からみれば原因は医薬品にあるのではなく、インフルエンザによる症状の一種だと判別出来たのですが、マスコミによる圧力は激しく、科学的な論証や意見をいくら現場の専門医が説明しても、当時の大衆や記者には理解されませんでした。
元気な子供と母親その後、様々な専門家の検証の結果、タミフルの安全性が証明され、今ではごく一般的なインフルエンザ治療法として再び採用されています。
異常行動の原因は、高熱による幻覚症状だと大筋の原因が特定されており、小児が服用する際は保護者が看病出来る環境を取る事でリスクマネジメント出来ます。
タミフルによって幼児が転落した・粗暴な性格になった・自宅で暴れだした等、そういった異常行動は服用による副作用ではなく、あえて言えば幼児個人の問題となります。

タミフルと落下事故をさも明確な因果関係があるかのようにマスコミは報じましたが、それに対する否定的な見方が現在の主流な考えとなっているのです。
いわゆる普通の幼児が適量を守り、親の保護のもと服用すれば何ら問題は発生しません。
幼児はインフルエンザを撃退する免疫力が弱く、熱に浮かされる時間が長いです。
激しく布団の中でウイルスに抵抗する様子を見て一部の保護者が、異常な行動だと錯覚しますが、それこそタミフルの効き目であり、インフルエンザを改善する過程でどうしても生じる行動になります。

そもそもインフルエンザとは?

インフルエンザウイルス風邪は様々なウイルスによっておこされるものであるのに対して、インフルエンザはインフルエンザウイルスによっておこされます。
インフルエンザウイルスは香港A型、ソ連A型、B型のあわせて3つのインフルエンザがありましたが、2009年からは新型インフルエンザウイルスも追加されました。
インフルエンザの症状も全くと言っていいほどに大きな違いがあることもあります。具体的には風邪と違い38度以上の高熱が出るのも特徴の一つです。
またのどの痛み、咳、鼻水の風邪の症状に加えて、関節や筋肉の痛みだるさが出てきます。
発症も急激で、流行性感冒と言われるほど一気に流行して発生するほど感染力も強いです。
さらには重症化すると肺炎や気管支炎を引き起こすこともあって、特に65歳以上の高齢者や妊娠中の方、乳幼児、さらにぜんそくや糖尿病、慢性腎不全などの症状を持つ方はより重症化の可能性があり最悪死に至ることもあります。
さらにインフルエンザと言えば世界的流行、パンデミックを引き起こすこともあります。
1918年のスペイン風邪、1957年のアジア風邪、1968年の香港、1977年のソ連などがあります。
特に1918年のスペイン風邪は第一次世界大戦を終わらせたともいわれるほどのパンデミックを起こしています。
風邪の治療は極端に言えば寝てても治るほどであるのに対して、インフルエンザは病院受診して、抗ウイルス薬によって体内のウイルスの増殖を抑えることで治療をしていきます。
感染力がすごく強いために流行を拡大させないためにも治療開始から症状が治まるまで自宅で安静することが推奨されています。
特に新型インフルエンザにおいては熱が下がっても最低5日は安静が求められているほどすごく強いウイルスが起こすものなのです。